インドネシア・ボゴールに孤児院寄宿舎完成!

インドネシアのこどもたち

インドネシアでは1997年のアジア危機以来貧困層の割合が大幅に増え子供たちを取り巻く状況は悪化しています。未就学児童は440万人、児童労働の人数は230万人、ストリートチルドレンの数は170万人といわれています。特に貧しい農村部では保健衛生.栄養状態があまりよくなくお産の時に亡くなってしまう母親も少なくありません。また家庭内の問題や経済的な理由で両親の保護を受けられない子供たちもいます。そのため、このような孤児や子供たちをケアする民間団体が多数存在しています。しかし経済危機以降、このような団体の活動に対するニーズが高まっているのに対して政府の補助金や一般の人々からの寄付は減る傾向にあります。

山あいの谷に見える学校と孤児院宿舎

インドネシア、ボゴール県コポ村にある民間団体Yuyasan Baetur Rahmanは32人の孤児のケアをしていましたが収容施設が無いため孤児たちは近隣の家に里子として預けられていました。しかし、裕福で無い家庭にとって里子を預かることことによる経済的負担は大きくいろいろな問題が発生し孤児達は肩身の狭い思いをしていました。こういった状況を改善するためこの団体からNGOのピースウインズジャパンに孤児院宿舎建設の支援要請が出されました。

演説する民間団体の責任者

孤児院宿舎建設にむけて

それを受けてSI岡崎では「子供の人権-健全な重空間で育つ権利への支援」としてこの要請を受けることを決議しました。デパートとの協賛チャリティーバザーを開催し130万円の建設費用を集めました。孤児院宿舎は1階建て、鉄筋入レンガにモルタル塗装の耐震構造、集会場と4つの寝室、食堂、お風呂などを含む100平米の建物で、2002年1月建設が始まり、3月に完成いたしました。


子供たちの歓迎をうける

孤児院宿舎

子供たちに贈る

4月23日、ジャカルタから小型バスで約2時間、バスを降りて徒歩15分、通常の旅行では決して訪れることのない山間部の傾斜地のコポ村に私たちは到着しました。村びと総出の歓迎を受け、現地での開所式にはSIジャカルタの会員も同行しSI岡崎会員9名が参加しました。この視察旅行に参加できなかったSI岡崎会員からの友情カンパ12万円で家具、寝具、学用品を購入し子供たちに贈りました。宿舎の中で子供たちははにかみながら、くったくのない笑顔をふりまいていました。


右:スピーチするSI岡崎会長
左:通訳するSIジャカルタ会長


スピーチを聞く会員他

男の子たちと

女の子たちと(さくらさくらを歌う)

プロジェクト

このプロジェクトでは、NGOのピースウインズの活動について、11月12月の私たちの例会で卓話を行い、ジャカルタの現地事務所でも活動状況を説明していただく機会を得ました。20代の若者の真剣な海外での活動を身近に学んだことは、私たちの大きな収穫となりました。また、ジャカルタ事務局の人々には孤児院運営団体との折衝や建設業者との打ち合わせ、建築状況の確認などの協力をいただきました。それから、ジャカルタ日本商工会議所女性奉仕グループJ2ネットの方々にもご協力いただきました。SIジャカルタ会員の方々とは1日同行し、互いの活動報告をして交流を深め、開所式では一緒に演壇に立ってスピーチの通訳をしていただいたりしました。そして、これをきっかけにフレンドシップリンク締結の約束も交わしました。

今後の課題

今回のプロジェクトは開発途上国といわれている国にスポットを当てました。こういう国では、比較的少額の援助でも実質的にかなり多くの子供たちの生活環境向上に役立てることができます。こうした国々で具体的な形の残る援助を継続的にしていきたいと考えています。例えば、この村では多くの子供たちは中学へ進学することができません。中学は公立ですが、遠いのでバスで通います。この費用がとても高くて通うことができないのです。この村にある学校も裸電球が一つ付いただけの教室が二つあるだけです。先生もボランティアで地元の人が教えています。今後も改善すべき多くの課題を抱えています。私たちはこのプロジェクトを継続しこの子供たちを支えていく手助けが少しでもできたらと願っています。

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